ここから本文

報告書 A4モノクロ 95ページ

<目次>

第1章 「在宅で働きたい」と願う人々と社会
<その歴史と現状>

第2章 在宅就業支援をめぐる現状と行き詰まり
<アンケートとヒアリング結果から見えたもの>

第3章 社会が後押しする新しい在宅就業支援のイメージ

第4章 在宅就業を真のディーセントワークへ

参考資料


重度障害のある人たちの就労支援策のうち、請負型の「在宅で働く」という考え方については、すでに1990年代より数々の研究において論じられており、そのためには仕事の仲介や教育訓練機能をもつ支援組織の存在が不可欠であるとも指摘されていました。
その後、そうした支援組織の受注促進のための「在宅就業支援制度(登録・認可制)」が、2006年「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正に伴い創設されたのです!。

しかし・・・、制度創設から3年半あまりが経過した今日、「在宅就業支援制度」への登録団体数は一向に増えていません。一体、全国の支援団体はどのように継続しているのでしょうか。
また、企業や施設への通勤通所が困難な人たちの「通えないけど働きたい」という願いは、どれくらい叶えられているのでしょうか。

本研究報告は、こうした問いに対し、あらためて在宅就業とその支援制度の実態を調査し、今後の方向のひとつとして、いわゆる福祉的就労の分野における在宅就労支援の可能性、および連携について言及したものです。

おりしも政府主導で進められている「障がい者制度改革推進会議」の進行や、国連・障害者の権利条約の批准に向けて関係法制度の見直しが求められているこの時期、在宅就業という働き方のありようについて提言できることはこの上ない機会であり、今後の制度改革にさらなる発展を望むと同時に、本報告書がその一助を担えればと期待する次第であります。