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■重度身体障害者の在宅就労を考える
トライアングル
機関紙『トライアングル』は三菱商事株式会社様のご協力により発行しております。

Vol.65 
CONTENTS 2017.7(平成29年)

■ Topic
障害のある人のテレワークを推進する全国組織発足!

■ 障害のある人の在宅雇用事例 浮揚玲子さん
「普通に働き」「普通に評価してもらいます」

■ IT技術者在宅養成講座
「34 期生 表現技法スクーリング」

■ シリーズ第27回 東京都障害者IT地域支援センター便り
― 「平成29 年度IT 支援者養成研修」が始まりました ―

■ おめでとう(資格取得、就職)

 去る平成 29年6月15日、ITを活用した障害者の在宅就労支援を行っている全国の8団体(後述)が、「障がいのある方の全国テレワーク推進ネットワーク(全障テレネット)」を発足いたしました。

ネットワークのイメージ図

【背景と目的】
 現在、国の「働き方改革」の後押しもあり、障害のある人にテレワークで力を発揮してもらうことを考える企業も増えてきました。法定雇用率が引き上げられることも決定しており、こうした新しい雇用の形は更に注目されることが予想されます。
 一方で、ITを使った仕事で社会と繋がりを持ちたいと願いつつも、企業雇用になかなか結びつかないケースや、雇用でなくフリーランスや社会就労のサービスでテレワークの形態を望む方々も大勢います。

 そこで、障害のある方のテレワークに関わる支援を長年行っていた団体がこのたび集結し、より積極的なテレワーク推進を目的として、全国的なネットワーク組織を発足することといたしました。
団体メンバーは、北海道、関東、中部、中四国と広域であり、かつ、その組織の形も、非営利団体、企業、第3セクターなど多様であるのが特徴です。

  【ネットワーク団体】
 特定非営利活動法人札幌チャレンジド(札幌市)<共同代表>
 社会福祉法人東京コロニー職能開発室(東京都)<共同代表>
 特定非営利活動法人ぶうしすてむ(愛媛県) <共同代表>
 特定非営利活動法人バーチャルメディア工房ぎふ(岐阜県)
 株式会社沖ワークウェル(東京都)
 株式会社広島情報シンフォニー(広島県)
 一般社団法人えひめICTチャレンジ事業組合(愛媛県)
 社会福祉法人かがわ総合リハビリテーション福祉センター(香川県)

当面は、
○働き方モデル・支援モデル検討分科会
○共同受注分科会
○広報・啓発活動分科会
 など、働きたい人と雇用する側・仕事を出す側の間にたって、仕組み作りの検討や提案、広報などができる活動を目指しています。
 これまで一団体として意見や思いを出してまいりましたが、信頼できる仲間と繋がることは何よりの力!。まずは支援者本人が一番楽しみにしております。

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浮揚 玲子さん
株式会社NEC ソリューションイノベータ 経営企画部 CSV 推進部
(関節リウマチ1種1級)

仕事開始時期
2000年7月(旧NECソフト株式会社)
労働形態
在宅勤務
就業時間
8:30〜17:15
仕事内容
主としてCSV(※1)の情報発信
打ち合わせ
適宜毎日(ネットツールを利用して)
浮揚玲子さん
(※1)CSVとは Creating Shared Value=共通価値の創造

 「これまでに登場した在宅ワーカーさんは現在どう働いておられますか?」というのが、読者の皆さまからの最も多いご質問です。お答えしましょう、前号に続き、今回も”再び登場シリーズ”。IT企業の在宅雇用を16年間続けておられる浮揚玲子さんに直撃です。

Q. この16年をざっと振り返りながら、現在のお仕事についても教えてください。

 現在の会社の前身であるNECソフト(株)に2000年に入社し、総務部総務Gで事務全般の仕事に従事しました。2006年にCSR推進室に異動し、ここから社内外のホームページの更新など情報発信を担当しています。2014年4月にグループ会社7社が統合され、NECソリューションイノベータとなりました。現在は経営企画部CSV推進室に所属しています。私自身は16年間ずっと在宅勤務です。

Q. 現在の業務とはどんなものでしょう。

 社内外のホームページの更新やCSRレポートの発行など、CSVの情報発信が主な仕事です。会社にいる上司やグループメンバーとはSkype for Businessを使用し、定期的にオンライン会議を行い、必要に応じて出社しています。
 CSRレポートの発行については、一昨年から事務局のリーダーとして携わっています。掲載内容の検討や、発行までのスケジュール管理、制作会社との打ち合わせなど、取りまとめ役として関わるのは初めてのことで、とても大変でしたが、予定通りに無事発行することができました。私自身が「どういうレポートを作りたいか」が明確であることが大事。在宅勤務だと、ついつい一人で抱え込んでしまいがちですが、オンライン会議システムを使い、いつでも気軽に相談できる環境があったので、何とかやり遂げました。社内外から良い反応をいただき、嬉しかったです。

Q. 在宅勤務でも責任ある立場で仕事をこなしておられますが、ここに至る過程を教えてください。

 在宅勤務とはいえ、病気を抱えながら仕事を続けるのは大変でした。16年の間には、体調が安定しないときも多く、入院もしました。その都度、労働時間の短縮など働き方に配慮をもらいながら何とか続けることができました。ここ何年かは、病状が安定したことで、体調に不安がなくなり、仕事に対しても前向きな気持ちで取り組んでいます。これまで自信がなかったので、なるべく責任のある仕事は避けてきましたが、上司と相談しながら、少しずつ責任ある業務を担当するようになりました。
 今は、障害があるとか勤務が在宅であるとかは関係なく、普通に働き、普通に評価してもらっています。

Q. 今後もどんどん前に進んでいくことが目標でしょうか。

 前には進みたいですが、色々と思案することもあります。やる気があれば次のステージに行くことも可能ですが、責任も今より上がりますから、体力や能力の上で自分にこなせるか。関節リウマチという病気は、良くなっていても「完治」ではなく「寛解」。またいつ悪くなるかわかりません。
 仕事だけでなく、生活面もプライベートも充実させたい。体調の良い今、これまで病気であきらめていた旅行など、できなかったこともやってみたいのが正直なところです。

Q.昨年より、障害のある従業員に対して雇用事業所には「合理的配慮」が義務づけられました。このキーワードで、何かお感じの点があれば教えてください。

 こうした概念の有る無しに関わらず、入社以来言いたいことは言える環境にありました。その度、会社や上司は向かい合ってくれたと思います。
 前職を病気で辞めたあと、しばらく家にひきこもっていた時期があります。その時「病気を抱えていても、身体が不自由であっても普通に生活したい」、「普通に仕事をし、行きたい時にコンサートに行き、食べたい時に食べたいものを食べる」ことが人生の目標でした。
 ほぼ目標は達成できたかもしれませんが、社会に支援を求める時、自分もやるべきことをやることが大切で、「何でもやってほしい」ではなく、「できないことをサポートしてもらう」ことが必要だと考えています。
 仕事もそう。合理的配慮は頼もしい概念ですが、働く側としても、障害や在宅勤務を言い訳にしないで、自分なりに精いっぱい努力していきたいと思っています 。

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 去る5月31日、『IT技術者在宅養成講座』2年生の『表現技法』スクーリングが実施されました。 当講座は「自宅にいながらにして、就労に必要な情報技術を学ぶ」講座ですが、年に4〜5回ほど在宅学習を補うための集合研修としてスクーリングを実施しています。

 『表現技法』では、演習としてプレゼン用ソフトウェアを使用し、与えられた課題に沿った資料作成と発表を行います。個人単位ではなく、2つのグループに分かれての共同作業です。お題は「アニマルセラピーVSケアロボット」。当講座で10年以上取り組んでいる伝統的なテーマです。 発表2週間前から資料作成を開始し、グループを組んだ講習生同士がメーリングリストで連絡を取り、異なる意見を集約して作業分担をします。
 講習生は、年齢はもちろん持ちあわせている知識や技術にも違いがあるうえ、発表直前まで顔をあわすことができません。通院やリハビリを必要とする講習生もおり、常に連絡がとれるわけではない状況で発表当日が迫る中、顔が見えない相手との意思疎通・共同作業は大変なことだったと思います。
 当日のプレゼンは参加者全員が交代で行いました。グループ全員で試行錯誤を重ねて作成した発表資料はアピールポイントも構成もしっかりできています。各自、事前に用意した原稿を元に、ゆっくり丁寧に説明でき、大変素晴らしい発表となりました。

34期表現技法

 当講座では、情報技術の取得だけでなく、在宅で就労する上で欠かせない「社会性」や「ビジネスマナー」を身に付けていただくことも目標としています。
 講習生は、普段自宅にて一人で学習しており、他者との共同作業の機会は多くありません。今回のような研修を通じ、社会とのかかわりに必要な、自然な形でのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身に付けてもらえればと思います。

(受川)

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支援者養成研修

コース テーマ 講座概要 主に対象となる障害特性
コース1 コミュニケーションを支える コミュニケーション障害をカバーする会話補助的な支援技術 (意思伝達装置を除く) 聴覚障害
発達障害
言語障害 等
コース2 意思伝達を支える 意思の表出が困難な方のための意思伝達を中心とした支援技術 ALS、脳血管障害の後遺症等の意思伝達、意思表出が難しい方
コース3 操作困難を支える 物理的な操作に困難さをかかえるケースでの支援技術 上肢障害(肢体不自由)
コース4 見えない、見えづらいを支える 視覚的な困難さをかかえるケースでの支援技術 視覚障害(全盲、弱視)
コース5 理解、認知、記憶を支える 障害や疾病により、理解や認知、記憶等に困難さをかかえるケースの支援技術 発達障害
高次脳機能障害
知的障害、失語症等

 当センターでは、都内のIT基盤整備事業の一環として、区市町村職員・福祉センター・就労支援センター等の地域の支援者様向けに「IT支援者養成研修」を実施しております。9年目となる今年度は、好評であった昨年に続き、上記の5つのコースからテーマを選択していただきます。「身近な機器で、目からウロコ」をぜひご体験下さい。
 詳細はこちらを。
http://www.tokyo-itcenter.com/500jigyo/it-kensyu-2017_1.html

 また、下半期(10月〜3月)には、「出張型IT支援者養成研修」を実施いたします(スタッフが機材を持って地域の研修会場まで出向きます!。
 お申し込みなど、詳細は、ホームページ、メルマガ、Facebook等で配信しておりますので、どうぞ地域でのIT支援にお役立てください。

(下澤)


●お問い合わせ先
東京都障害者IT地域支援センター
〒112-0006 文京区小日向4-1-6
電話 03-6682-6308  FAX 03-6686-1277
Facebookページ
https://www.facebook.com/tokyoitcenter

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資格取得おめでとう

  

IT パスポート 合格
Excel 2013 MOSスペシャリスト 合格

 

 K.T さん  障害者手帳1種1級
 (IT技術者在宅養成講座 受講中)

おめでとう
  
編 集 後 記

 はじめまして。本年5月よりIT技術者在宅養成講座を担当させていただくことになった受川と申します。まだまだわからないことが多いですが、IT職・福祉職の経験を活かし、講習生の就労に向けた総合的な技術習得のために尽力していく所存です。
よろしくお願いします。

(受川)

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